霧島酒造株式会社
国内最大級焼酎粕リサイクルプラントへの納入!長年渡る霧島酒造株式会社様とのお付き合い。
霧島酒造株式会社
焼酎売上高No,1 素材・製法・味にこだわる芋焼酎造り 日本が誇る酒造会社
宮崎県都城市、霧島連山を望む広大かつ肥沃な都城盆地、緑深く水清らかなこの地にあって創業99年、創業来より「素材・製法・味」3つのこだわりをかたくなに守りながら、万人に愛される芋焼酎を醸造する酒造会社があります。
霧島酒造株式会社様、宮崎県都城市を拠点に活躍される企業様であります。
霧島酒造様が醸造する主力商品「霧島・黒霧島・赤霧島」などの霧島ブランドは今やだれもが知る銘柄であり、その味は国内幾千数多の愛飲家を魅了し、そしてその支持は名実ともに焼酎部門国内売上高No,1の酒造会社へと押し上げ、日本の焼酎分野におけるリーディングカンパ―として活躍されておられます。
しかし輝かしい勢いの中にあって、霧島酒造様の焼酎造りにかける姿勢は実に地道で「素材・製法・味」へのこだわりに満ちております。
まず素材である仕込み水は霧島連山より浸透し都城盆地の地中深くに存在するミネラル豊富な霧島裂罅水を使用し、仕込み原料は南九州地一帯で栽培された澱粉質豊富な甘藷(黄金千貫)を、それらを醸す麹は自社での研究を重ね焼酎の醸造にもっとも好適な麹を使用するなど素材を厳選し、製造面では創業来より守り継がれる醸造方法を基軸に各工程の技術を高め、芋の洗浄から選別~製麹1次仕込み~芋蒸し2次仕込み~蒸留~熟成~ブレンドの工程を経て生み出される霧島の味わいは「飲み手を幸せな気持ちにさせる」お酒であると言えます。
これこそが愛飲家の支持を集める原動力であり、また製品対するに真摯な姿勢こそがトップランナーたるゆえんであると確信しております。
現在我々富国工業がお付き合いをさせて頂いている九州地区焼酎メーカー様は、各社様とも素材へのこだわりと独自の製法を守りながら味を追求し、飲み手の心にそった酒造りをされておられますが、その中にあって今回は霧島酒造株式会社様と弊社との関わりについてご紹介したいと思います。
霧島酒造株式会社様と我々富国工業株式会社のお付き合いは今を去る事34年前1979年8月洗米排水用の脱水機として初号機を納入した時より今日に至るまで長年に渡る御愛顧を頂いております。
弊社脱水機総納入基数15基 今日至るお客様とお付き合いと弊社における2つターニングポイント
我々富国工業がお客様へ初めて脱水機を納入したのは1979年、当時原料を洗浄後の排水を処理する脱水機としてSHX-400型を1基納入した事から始まります。当時のことを知る弊社関係者はすでに退職しており、初号機納入の経緯については残念ながら不明でありますが、その1基が今日までのお付き合いに至るスタートポイントであります。
その後7年間のブランクを経て、1986年8月今度は余剰汚泥用脱水機HX-600型を1基ご採用頂きました。
この機は現在霧島酒造様の排水処理場にて多数稼動する汚泥処理用スクリュープレスの最初の礎でしたが、実はこの機械がこそがお客様との関係築く上で最初のターニングポイントともいうべき代物でした。
当時富国工業は食品分野特に水産やすり身の分野を経営の主軸において国内外の水産会社様向けに脱水機を製造販売しておりましたが、折しも1982年に制定された国連海洋法条約(200カイリ問題)により、販売基盤であるすり身分野から製紙汚泥分野を筆頭した汚泥分野にシフトした時期でありましたが、現在の脱水技術に比べると未成熟ともいうべき時期でした。
当時霧島酒造様ご依頼頂いた余剰汚泥は現在発生するものなんら変わらないものでしたが、我々が設計した脱水機の機器仕様は余剰汚泥処理に合わない機械を設計してしまい、納入後お客様には操業中都度回転調整・供給調整・凝集調整を必要が生じ操業者の手離れが悪いうえに、なかなか性能が安定せずお客様に相当なご苦労がおかけしたそうです。
本来であればこのことで見放されるのが世の常なのですが、何とか解決策を探りたい我々はお客様の厚情によりすがり、お客様の地道なデータどりと弊社でも機器の検証両社で検証を進めさせて頂いた結果、先に納入した400型の方が機械容量的にもスクリュー形状的にも余剰汚泥をうまく処理できることが判明、それ以後弊社はこの失敗を教訓として次機への改良につながりました。
その後は1994年6月余剰汚泥用1基を皮切りに~2004年8月焼酎粕処理排水用2基~2008年1月余剰汚泥用2基と続き、そして来る2011年お客様にとって頂点を目指す飛躍の年、焼酎生産量の増産伴い建設された本社増設工場の排水処理設備にホッパー内濃縮装置搭載型SHX-450型2基納入~志比田工場霧島リサイクル協同組合においては既設機の老朽増強入替に伴いホッパー内濃縮装置搭載型、SHX-400型1基納入、さらには本社増設工場稼働により増加する焼酎粕の粕減縮と化石燃料使用低減を目論みとしたバイオガス回収を目的として、鹿島建設株式会社様が開発した高温メタン発酵システム「メタクレス」を主体とする、お客様第2期増設メタン発酵リサイクルプラントの建造、それに伴い発生するメタン発酵後消化液処理用としてホッパー濃縮機搭載型SHX-450型5基をご採用頂きました。2011年採用された弊社脱水機は同時期において8基採用、この実績は弊社にとっても輝かしい実績ではありましたが、ここに2つ目のターニングポイントがございました。
それは2011年3月11日東日本大震災による弊社石巻工場の被災でした、弊社は宮城県石巻市不動町 旧北上川に隣接する工場でしたが震災当日約2M近い津波により浸水し、幸い工場事務所・工場建屋を破壊するほど勢いはなかったものの、出荷待ちの脱水機が全て水没、工場内全ての工作機械が浸水により使用不能に陥りました。 幸い地震発生からの対処が速かったこともあり従業員の人的被害は皆無でしたが、大切な親兄弟家族を失った従業員、家や思い出何もかも失った方々、そして工場の泥かきから始まった3.11であり、被災した従業員も支援と委託製造先探しに奔走した我々も一生の記憶に起こる史上最悪の凶事でありました。
このとき霧島酒造様へ納入を予定していた脱水機基数は前述の8基、うち最初の分が2011年6月納入の増設リサイクルプラント向けの5基でしたが、3月11日以降出荷分水没機の整備と出荷・新たな協力工場確保等などによりこれ以後の納入が最大半年まで遅延という状況に陥り、ご注文頂いた全てお客様にも遅延のお願いをしなければならない事態に至りました。
この時我々の胸中には「全てのお客様より頂いたご注文が全てキャンセルとなれば富国工業は消滅する」その恐怖でした。その様な中最終客先である霧島酒造㈱様とリサイクルプラント元請の鹿島建設㈱環境本部様より、プラント施工担当先で弊社納品先の㈱神鋼エンジニアリング&メンテナンス様ご担当様通じ伝えられた言葉は「出来るまで待つ!富国さんが納入できるまで待つ!」その思いがけない一言でした。札幌・釧路・静岡・そして神戸製鋼様とありとあらゆる協力工場探し奔走し、万策尽きかけていた我々にとって希望の光となりました。この事により弊社3か月遅れの2011年8月末無事納入する事が出来、その他3基についてもそれぞれ2~3か月遅れとなりましたが無事納入する事が出来ました。私たちはまたしてお客様のご厚情に支えられました。
2011年は弊社全てのお客様・関係者様のご支援を頂いた1年、このおかげをもちまして2011年年末には工場80%稼働、翌2012年3月震災前と同じ100%稼働に戻り、霧島酒造様はじめ皆様のおかげをもちまして完全なる復興を遂げる事が出来ました。
2014年今日までお付き合いによる弊社脱水機総納入基数15基(うち総稼働機数13基)、この数字は九州地区No,1の稼働数のお客様であること、これは34年間お客様より頂戴したご厚情の象徴であります。また弊社にとってもこの2つのターニングポイントがなければここまでのお付き合いに至っていなかったと考えます。
34年間お客様を脱水機という面でお支えさせて頂けた事、富国工業としての財産であります。
国内最大級焼酎粕リサイクルプラントにおける採用理由
2011年に2期工事が完工した霧島酒造株式会社様焼酎粕リサイクルプラントはその後順調に稼働し、1期リサイクルプラントと合わせ1日800トン焼酎粕を受け入れる事が可能となり、国内最大の焼酎粕リサイクルプラントとしてその名を知られることになりました。
鹿島建設㈱様の高温発酵システム「メタクレス」を主体としたこのリサイクルプラントは1日800tの焼酎粕から32,000㎥のバイオガスを回収する事が可能、霧島酒造様では回収したバイオガスを工場で必要な熱源にこれを使用する事で化石燃料の大幅な低減を実現、また工場で使用して余った余剰ガスは現在ガスエンジンにより発電され現在では約2万キロワットの電力を売電されているとのことです。
さらに高温発酵により焼酎粕の固形分消化が促進されることで、消化液として排出される固形分は仕込み量から見て約30%まで減縮されるため、処理にかかる負荷の低減や脱水処理後の消化汚泥はたい肥化されるなど、本来焼酎生産の足かせともいえる粕の価値にいち早く目を向けられ、最新鋭のリサイクルシステムによりエネルギーという価値に転換する本プラント導入されたことは、焼酎業界における未来図ともいうべき象徴的なプラントであります。
さて本リサイクルプラントにおいての弊社関わりはメタン発酵後の消化液脱水という役割を担っており、現在5基の濃縮装置付脱水機が大したトラブルもなく順調に稼働を続け、貴社リサイクルプラントの脱水面をお支えております。今回は弊社脱水機SHX-450型が採用された経緯と理由について、霧島酒造㈱グリーンエネルギー部浮田様にお話を伺いました。採用頂いた理由どのような理由でとの質問に関し次のようにお答え頂きました。
「第2期の焼酎粕リサイクルプラントで御社を採用した理由は、第1期リサイクルプラントで採用したデカンターに比べ脱水性能が優れている事、従来の脱水水分85%に対しスクリュープレス導入の結果脱水水分80%±2%まで脱水性が向上した事、これは2期リサイクルプラントで1日400トンの焼酎粕を受け入れる我々にとって、この規模における5%の差は得られるメリットはあまり大きく、また脱水後水分低減により堆肥工場での処理もしやすくなり、処理コストの大幅な低減につながっている、次に霧島酒造として富国工業製スクリュープレスを長年に渡り使用している実績・機械としての信頼性、これらが決め手となりました。」
弊社の脱水機に対する信頼性とはどのようなところですか?とお尋ねしますと、浮田様は「具体的には機械構造が堅牢なので寿命が長い為部品交換などが殆どない事、構造がシンプルで分解しやすいので定期メンテナンスやトラブル発生時も自分たちスタッフによるメンテが出来る事、駆動に要する動力が少ないのもランニング的によいし、脱水機自体の回転数が遅いので摩耗し難いなど・・・」お客様からのご回答は弊社脱水機のブランドイメージともいうべきご回答でした。
消化液凝集状態 M式流量分配堰
凝集フロック濃縮機出口水分92%
スクリュープレス出口水分80%±2%
富国工業製スクリュープレスへ求める期待
最後に今後富国工業製スクリュープレスに求める期待について浮田様は次のように締めくくって頂いております。
「まずスクリュープレス更なる脱水性の向上ですね、弊社の場合焼酎粕発生量1日800tを受け入れるリサイクルプラントは脱水ケーキの水分が今より2~3%水分を低減する事が出来れば、更なるメリットが見込まれます。次に脱水機の機長短縮の検討、省スペース収まる脱水機を開発する事なども使う側のメリットが見込まれると思います?」など。また他にも「脱水ろ液中のSSリークを低減できる技術の向上、出来ればろ液SSを濃縮分離する槽を用いなくともいいぐらいのろ液性状が得られるろ過技術など...」
ご使用される側からの生のご意見を伺う事が出来、目下弊社が直面する課題で締めくくられた浮田様のご意見に脱帽する次第です。
弊社もこの貴重なご意見を基に更なる脱水を目的としたスクリュー形状の開発、スクリュー内蔵型ロータリースクリーンなどの前段濃縮装置を用いた濃縮技術の向上と脱水機濾過面積の低減(機長短縮)、回収率向上に寄与するろ過素材の検討を順次具現化したいと考えております。
そして我々富国工業株式会社はこれら実際にお使いいただいてるユーザー様の声こそが、更なる脱水技術向上の重要な課題として受け止め、慢心することなく常に挑戦し続け自らを脱水技術を磨いて行くことをお約束します。
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